次世代機は、もう5万円台には戻らない。
Xbox Series X|Sの国内価格が2026年8月1日に一律3万円値上げされたばかりですが、海外メディアIGNが「500ドルのゲーム機は死んだ(The $500 Console Is Dead)」という、なかなか衝撃的なタイトルの分析記事を出していまして。
- IGNが「500ドルコンソールの時代は終わった」と分析。原因はAIデータセンター向け需要によるメモリ・ストレージ価格の高騰
- 現行Xbox Series Xは米国749ドル・国内109,980円まで値上げ済み。次世代機「Project Helix」も1,000ドル(日本円で15万円前後)超えが濃厚とのこと
- メモリ危機は2028年まで続く見込みで、次世代機が出る頃には「1,000ドルが当たり前」の市場になっている可能性が高い
この記事では、IGNの主張をダダっとおさらいしつつ、筆者の視点で「じゃあ次世代Xbox(Project Helix)は結局いくらになりそうか」を日本円ベースで考えてみようかと思います。
次世代機の値段が気になっている人、最近のXboxの値上げにモヤモヤしている人はぜひ参考にしてもらえれば。

IGNが指摘する「500ドルコンソールは死んだ」とは

IGNのテック担当シニアマネージャー、Bo Moore氏が寄稿した記事の主張はシンプルで、「ここ20年ほど、ゲーム機の実質的な価格上限は500ドル前後だった。でも、その時代はもう終わった」というもの。
たしかに振り返ってみると、PS4やXbox One、PS3やXbox 360の時代も、発売時の価格はだいたい400〜500ドルのレンジに収まっていて、世代が進むにつれて「Slim」モデルやホリデーセールで安くなっていく...というのがお決まりのパターンでした。
ところが...今のPS5やXbox Series X世代はこのパターンが崩壊。
2020年発売時こそ500ドルでしたが、コロナ禍のサプライチェーン混乱で品薄が続き、その後は関税(トランプ政権による関税措置)、そして極めつけがAIデータセンター向けのメモリ需要急増による「RAM危機」と、値下がりする理由がまったくないまま6年目に突入しているというのがIGNの見立てです。
原因は「AIデータセンター向けメモリ需要」
IGNが根拠として挙げているのが、AI向けデータセンターの建設ラッシュによるメモリ(RAM)チップの奪い合い。
ゲーム機やグラフィックボードに使われるメモリ・ストレージの価格が軒並み高騰しているという話で、これは筆者たちが普段追いかけているXboxの値上げ理由(メモリ・ストレージ価格が2.5倍以上に高騰)とも完全に一致します。
IGNが記事内で挙げている現行機の実例は以下の通り(すべて米国価格)。
| 製品 | 米国価格 |
|---|---|
| PS5 Pro | 899ドル |
| Xbox Series X | 749ドル |
| Steam Machine | 1,049ドル(当初想定は750ドル程度だったとされる) |
Steam Machineが当初の想定から300ドルも上振れしているあたり、メモリ危機の影響がかなり広範囲に及んでいることが伺えるかなと。(Steam Machineのレビューまとめはこちら)。
さらに記事では、Valveが「メモリ危機はまだ悪化し続けている」とコメントしていること、RAMメーカーMicronのCEOが「不足は2028年まで続く見通し」と発言していることにも触れられていて、正直かなり長期戦になりそうな雰囲気です。
| 機種 | モデル | 国内価格(税込) |
|---|---|---|
| Nintendo Switch 2 | 日本語・国内専用 | 59,980円 |
| Nintendo Switch 2 | 多言語対応 | 69,980円 |
| PS5 | 日本語専用 | 55,000円 |
| PS5 | 通常モデル | 97,980円 |
| PS5 Pro | - | 137,980円 |
| Xbox Series X | Digital 1TB(2026年8月改定後) | 109,980円 |
| Xbox Series X | Disc 1TB(2026年8月改定後) | 117,980円 |
| Xbox Series S | 1TB(2026年8月改定後) | 97,480円 |
| Steam Machine | 512GB | 189,980円 |
| Steam Machine | 2TB | 249,980円 |
参考までに、国内で販売されている任天堂/プレステ/Xbox/Valve(Steam)のコンソールゲーム機の価格をまとめると上記の通り。
Nintendo Switch 2は2026年5月25日に国内専用版が49,980円→59,980円に値上げ済み。※多言語対応版は69,980円で据え置きです。
PS5 Digital Edition 日本語専用のコスパが...異常。
日本のXboxは、すでにこの波をかぶっている
日本のゲーマーにとって一番身近な話でいうと、まさにこの「メモリ危機」の影響で、Xbox Series X|Sの国内価格は2026年8月1日に一律3万円値上げされたばかり。
旧価格からの詳しい変動幅は一律3万円の値上げとなっており、かなり厳しい状況です。※レビュー記事内の価格表にまとめています。
IGNの記事は主に米国目線で書かれていますが、日本もまったく他人事ではなく、むしろ「すでに実例として値上げが確定した」状態にあるとも言えます。

次世代機はどうなる?「1,000ドル超え」が新しい当たり前になる可能性

ここからが本題というか、この記事で一番書きたかった部分なのですが、IGNが指摘しているのは「メモリ危機が落ち着いても、次世代機の価格は500ドルに戻らない」という、なかなか厳しい未来予測です。
理由としてIGNが挙げているのは以下の通り。
- サプライチェーンが正常化し、関税が撤廃され、メモリ危機が終息したとしても、その頃には消費者側が「ゲーム機は1,000ドル近くするもの」という価格感覚に慣れきってしまっている
- 消費者が慣れてしまえば、SonyやMicrosoftがあえて価格を下げるインセンティブは薄い
- 実際、2017年/2020年の暗号資産マイニングによるGPU品薄でも、供給が正常化した後の「次世代GPU」の価格はしっかり高いまま据え置かれた前例がある
筆者としても、このGPU市場の例え話はかなり納得感があるところで。一度上がった価格感覚って、なかなか元には戻らないんですよね...。
加えてXbox側の事情として、次世代機「Project Helix」はSteamやGOGのPCゲームも動く、PCに近い設計を目指しているという話もあり、PC向けグラフィックボードの値段自体が下がる気配がない以上、Xboxだけ特別に安くなる理由も見当たらない...というのがIGNの見立てです。
SonyもPS6のコストを補填(サブシデー)する予定はないと公言しているため、両陣営ともに「利益を削ってでも安く売る」動機が薄いというのも共通しています。

発売時期についても「2029年」という、やや後ろ倒しな見方
これは筆者としてもちょっと意外だったのですが、IGNの記事では「2029年頃にはPS6や次世代Xboxの話をしているはず」という書き方がされていて、これまで筆者たちが追ってきた「2027年後半〜2028年」というリーク情報よりも、やや後ろ倒しなニュアンスで語られています。
正直、IGNの記事はあくまで「価格動向」がテーマの記事で、発売時期を厳密に予測したものではなさそうなので、この「2029年」という数字自体を確定情報として受け取るのは早計かな?と筆者は考えていますが、少なくとも「メモリ危機の長期化を踏まえると、発売がさらに後ろにズレる可能性もゼロではない」という空気感は感じ取っておいたほうが良さそうです。
筆者の見解:次世代Xboxは日本円だと結局いくらになりそう?
ここからは筆者の試算というか、ざっくりした肌感の話にはなりますが...次世代機が1,000ドルだった場合、日本円でいくらになるのか気になっている人も多いと思うので、考えてみます。
2026年8月1日時点のドル円相場はだいたい157〜160円あたりで推移していて(40年ぶり水準の円安からやや戻したところ)、単純に1,000ドル×158円で換算すると158,000円前後。
ただし、今回のXbox Series X|Sの国内値上げを見る限り、単純な為替換算よりも実際の値上げ幅のほうが大きくなる傾向があります。
米国の値上げ幅(150ドル、当時のレートで換算すると2万円台前半)に対し、国内の実際の値上げ幅は一律3万円だったので、この「上乗せ分」も加味すると、次世代機は日本円で17万〜20万円くらいになっても驚かないかなというのが筆者の認識と見解感覚です。
(このあたりはPS6・次世代Xbox比較記事でも触れている想定価格レンジと近い数字)
もちろん、これはあくまで現時点の為替・値上げ傾向からの推測で、実際の発売時期の為替水準次第で変わってくる部分ではあるので、その点は割り引いて見てもらえればと思います。
Xbox「Project Helix」と「500ドルコンソール」のよくある質問|FAQ
次世代Xbox「Project Helix」の価格はいくらになりそう?
噂ベースでは999〜1,200ドル、上限シナリオでは1,500ドルという見方も出ています。IGNの分析を踏まえると、円換算だけでなく「値上げの上乗せ」も考慮した17万〜20万円あたりが筆者の肌感。
メモリ・RAM危機はいつ終わる?
RAMメーカーMicronのCEOは、2028年まで不足が続く見通しだとコメントしています。
Valveも「まだ悪化し続けている」としており、短期間での解決は期待しにくい状況。
次世代機が出るまで、今のXbox Series Xを買うべき?
値上げ後の価格帯では積極的に勧められる理由が見当たらない...というのが筆者の結論です。本体価格・ゲームパスの最新料金もあわせてXbox Series Xのレビュー記事で解説しているので、気になる人はぜひ。
「500ドルコンソール」はもう二度と出ない?
IGNの記事の論調では「かなり厳しい」という見立て。
ただし、AIバブルの終息や供給の正常化など不確定要素も多いため、絶対に無いとは言い切れないかも...というのが筆者の受け止め方です。
まとめ|値上げは「一時的な現象」ではなく「新しい相場」になりつつある
IGNの「500ドルコンソールは死んだ」論をダダっと読み解いてきましたが、筆者としても一番刺さったのは「メモリ危機が終わっても、価格は戻らない」という指摘。
これまでは「値上げも一時的なもので、そのうち落ち着くだろう」と楽観視していた部分もあったのですが、GPU市場の前例を見る限り、今の価格帯が「新しい当たり前」として定着してしまう可能性は、正直かなり高そうだなと感じました。
Xbox Series X|Sの国内値上げも、次世代機の値段を占ううえでの一つの実例として捉えると、Project Helixが日本円で15万〜20万円クラスになる未来も、決して大げさな予測ではないのかもしれません。
惜しいというか、なかなかシビアな時代になってきた。




