WH-1000XMシリーズがaptX/aptX HDに対応しない理由|LDACが上位互換だからというのが答え

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aptXよりLDACが優れているから、というのが本質。

今回のトピックは多くのAndroidスマホが対応する高音質コーデック"aptX/aptX HD"について。※2026年現在はLC3という新しいコーデックもあります。

WH-1000XMシリーズ(XM4・XM5・XM6)はいずれもaptX / aptX HDに対応していないのですが、なぜ? どうして? と気になる人も多いかなと。

この記事では、aptX / aptX HDについておさらいしつつ「どうしてWH-1000XMシリーズはaptX / aptX HDに非対応なのか?」を深掘りしていきます。

2026年現在はaptX Adaptive・aptX Lossless・LC3といった新しいコーデックも登場しているので、そのあたりも含めてダダっと整理していくので、音質コーデックについて興味がある人はぜひ。

目次
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ソニーのヘッドホン「WH-1000XM6/XM5/XM4」がaptX/aptX HDに対応しない理由

ソニー 1000xm4シリーズ

まずは"aptX/aptX HD"ってなに? について簡単におさらいしておきましょう。

aptX/aptX HDは、SoC"Snapdragon"シリーズでおなじみクアルコム社の音質コーデックで、SBCやLDAC、AACに並ぶBluetoothの圧縮方式(A2DP)の一つ。

aptX / aptX HDエンコーダのソースコードが「Android Open Source Project」に寄贈された恩恵により、Android 8以降ではライセンス料が不要になっているため、現行のAndroid端末では基本利用できます。ただし、ヘッドフォン / イヤフォン側が対応するにはライセンス料が必要になるんですよね。

(そのため、低価格帯のBluetoothイヤフォンやヘッドフォンは対応しないことが多い)

これもWH-1000XM4以降がaptX / aptX HDを見送った理由の1つではあると思いますが、一般的に言われているaptX / aptX HDの仕様についてざっとまとめると以下の通りです。

aptX/aptX HDの特徴
  • 高音質・低レイテンシー(遅延)
  • データのエラー回復により、電波状態の悪い環境でも安定して接続できる(途切れにくい)
  • SBCよりも優れた圧縮率を誇り、より多くの情報量を転送できる
  • ハイレゾ音源を伝送する場合は44.1KHzまたは48KHz/16bitにダウンコンバートしてからデータを圧縮
  • aptX HDはaptXをより拡張したコーデックで、最大48KHz/24bitに対応。
  • 48KHz/16bitのaptXに比べて256倍の細かな音を表現できる

こうやって見てみるとaptX/aptX HDってメリットしかないじゃないですか?

でも、さらに優れた能力を秘めたコーデックがあります。それがSONYの自社製コーデック「LDAC(エルダック)」です。

LDAC(エルダック)の特徴
  • データ転送量はSBC(328kbps)の3倍、最大990kbps
  • 音質優先モードが「990kbps」、接続優先モードが「330kbps」で動作
  • ハイレゾ音源のために作られたコーデック
  • 96KHz/24bitのハイレゾデータをダウンコンバートせずに伝送できる

Android OSはAndroid 8以降LDACに対応し、多くのAndroidスマホで利用できるようになっているのですが、aptXとLDACを比較した場合、概ねLDACのほうが遅延が少なく、高音質です。

LDACのほうが遅延が少ないというデータは多くのメディアでも検証されていますし、それは当然SONYも認識済み。ユーザーがビットレートを変更できるというメリットもあるため、すっぱりaptX / aptX HDを切り捨ててLDACに舵を切った、というわけです。

ともすれば、aptX / aptX HDはライセンス料が絡んでくるのでコストもかかりますし、Apple製品は「AAC」、Android端末は「LDAC」を選択すれば遅延も少なく高音質で音楽を楽しめるので、現状aptX / aptX HDに対応させる明確なメリットがない、ということになります。

aptXは本当に高音質で低遅延なのか

2026年のaptXはさらに進化|aptX Adaptive、aptX Losslessとは

元の記事を書いた当時はaptX / aptX HDがメインの話題でしたが、2026年現在、aptXファミリーはさらに進化していまして。せっかくなので、ここからはその最新コーデックについても整理しておきます。

aptX Adaptive(アダプティブ)とは

aptX Adaptiveは、aptX HDの後継にあたる最新世代のコーデック。aptX Adaptiveは”Snapdragon 855以降のSoC”に搭載されており、以下の特徴があります。

aptX Adaptiveの特徴
  • ビットレートが240〜640kbpsの範囲で環境に応じて自動可変(固定ではなく状況適応型)
  • サンプリングレートは最大96kHz / 24bit(Snapdragon 865以降)のハイレゾ相当
  • 遅延は約50〜80msと低遅延
  • 電波環境が悪い場面でもビットレートを落として接続を維持してくれる

音質はLDACと概ね同等とされていますが、ビットレートが自動可変するため「混雑した電波環境でも途切れにくい」という実用面での強みがあります。

音質よりも安定性を重視したい場面ではaptX Adaptiveが有効ですね。

ただし、aptX Adaptiveに対応するスマホはXperiaやAQUOSが中心で、GalaxyやGoogle Pixelは基本非対応(GalaxyはLDACのみ対応、PixelはaptX HD + LDAC)。

iPhoneはBluetooth経由のLDACやaptX系コーデックに非対応という現状は変わっていません。(iPhoneはAAC)

aptX Lossless(ロスレス)とは

aptX Losslessは、aptX Adaptiveの拡張機能として追加されたコーデックで、「可逆圧縮」によりCD品質(16bit / 44.1kHz)をロスレスで伝送できるのが最大の特徴です。

従来のLDACやaptX HDは「非可逆圧縮」のため、どうしても原音との差が生まれますが、aptX Losslessはその差をゼロにするアプローチ。音質にとことんこだわりたいユーザー向けのコーデック。

ただし、使用にはSnapdragon 8 Gen1 / 8+ Gen1以降を搭載したスマホ、かつ「Snapdragon Sound」対応の「FastConnect 6900」が必要という条件があるのは要注意。

対応スマホがまだ限られているため、2026年現在でも「ロスレスで聴くならLDACが現実的なベター選択肢」という状況には変わりありません。

2026年追記|WH-1000XM6はLC3(Bluetooth LE Audio)に対応した

もう一つ、2026年の今大きく変わったポイントとして「LC3(エルシースリー)」の登場があります。

LC3は、Bluetooth LE Audio(Bluetoothの新規格)で採用されている次世代のコーデック。

WH-1000XM6は対応コーデックとしてSBC・AAC・LDAC・LC3を搭載しており、XM4・XM5にはなかったLC3が追加されています。

LC3の特徴
  • Bluetooth LE Audioの標準コーデック
  • 低消費電力・低遅延を実現するように設計されている
  • 少ないデータ量でもSBCより高音質を維持できるとされている
  • マルチポイント接続(複数デバイス同時接続)との相性が良い

LC3はaptX / LDACのような「音質追求」というよりも、「省電力・低遅延・安定した接続」を両立させるための設計が軸。

XM6でのLC3対応は、スマホとの接続の安定性・バッテリー効率の向上を意識したものと考えられます。(XM4・XM5はLC3非対応なので、この点はXM6のアップグレードポイントのひとつ)

ソニーのヘッドホンがaptX/aptX HDに対応しないのはコンセプトに倣ったから

aptXやLDACについてのおさらいもあって少々長くなりましたが、要約するとこんな感じです。

WH-1000XMシリーズがaptXに対応しない理由
  • LDACのほうが遅延が少なく高音質なため、aptX / aptX HDの必要性がない
  • aptX/aptX HDのライセンス料コストを払うメリットがない
  • Apple製品は「AAC」、Android端末は「LDAC」、という接続戦略で十分
  • 2026年のXM6では新たに「LC3」を追加し、次世代コーデックへの対応を進めている

2026年の現状でいえば、aptXファミリーは「aptX Adaptive」「aptX Lossless」へと進化しているものの、SONYはそれらにも非対応のまま。

SONYの戦略として「LDACとLC3で高音質・次世代接続をカバーする」という方針は一貫していると思いますが、ただ一つ勘違いしてはいけないのは、コーデックを意識するよりも端末を意識したほうがいい...ということ。

SoundGuysが公開しているコーデックの遅延を比較したグラフによれば、スマホの機種によりaptXとLDACの遅延にほぼ差が無かったり、LDACよりもaptXの遅延が少なかったり。音質や遅延を意識するなら、コーデックによる違いよりも元々遅延の少ないGoogle Pixelシリーズのようなスマホを選ぶのが正解...と言った感じで、スマホの機種やアプリ・音源の品質によって体感できる差のほうが大きいケースもあります。

どのコーデックで聴くかより、どんな音源で・どんな環境で聴くか、のほうが実は影響が大きかったりもするので、このあたりは本当に沼です。

とまぁ、こんな感じで。ソニーのヘッドホンがaptXに対応しない理由について可能な限りシンプルにまとめましたが、なにかしらの参考になれば!

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